2
 

心臓が速い。
どっちのものかは、わからないけれど。



「俺を、選んでよ」
「……」



ぎゅうっ、と力が強くなる。

羽鳥先輩は、俺を大事にしてくれる。
呼んだら傍にいてくれて、優しい。
空気が断然、柔らかい。
傍にいて、心地いい。



「せん、ぱい」



でも、俺。
やっぱり、



「俺、樹が、すき」



どんなに無視されても。
嫌な空気になっても。
何度むかついても。

やっぱり、好きだから。



「だから、」

「―――だとよ、如月くん」






「………え?」



前へ top 次へ

×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -