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こっちも恥ずかしくなって、顔が火照るのがわかった。
お互い顔を赤くしたまま、しばし沈黙。
でも目があって、どちらともなくぷっと笑いだした。
「……俺、不器用だし……うまく、言えないけど」
「……ん」
如月が、一生懸命話してくれる。
「遥が、寂しいって思わなくていいくらい……俺が、傍にいてやるから」
「………うん」
「だから………って、言ってる傍から泣くなっつの」
「っ………」
泣いてるとこだって。
格好悪いとこだって。
如月なら見せられる。
「如月、も」
「……何で名字」
「………樹っ、も」
名前で呼ぶのは、少し気恥ずかしい。
「樹も、寂しくなったら、言って」
「………ん」
ちゅ、と額にキスされた。
こんなに、まだ死にたくないなあと思ったのは、久しぶりだった。
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