6
ポツリ、と雨が降ってきた。
その量は増え、ザアザアと俺の身体を濡らした。
俺は、公園にきていた。
まだ小さい頃、母親によく連れてきてもらった公園だった。
誰もいない公園で、一人、ブランコに座っていた。
(馬鹿みたいだ、俺)
何日も、ぼんやりとして過ごした。
気が抜けたように、ただ、ぼんやりと。
今が何日なのかさえ、わからなくなっていた。
それほどまでに、ショックだったのかもしれない。
母親に、捨てられるという事が。
「……はは、」
雨が、冷たい。
なんだか笑えた。
これから、どうしよう。
高校も、辞めてしまおうか。
働くのもアレだし。
いっそ、死んでも。
(「……死なせねえよ、」)
「っ……」
微かに聞こえた言葉が、蘇った。
もう、最後でもいいから。
これからどうなってもいいから。
会いたいよ、如月。
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