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side.樹
親父が帰ってくると同時に、館林がいなくなった。
けれど懐かしい親父の姿は、俺にとって嬉しいことだった。
土日を挟んで、月曜。
3日ぶりに、館林に会える。
はず、だった。
「皆川先生、館林は」
「連絡は来てないな。……どうせサボりだろ」
適当なことを言って、皆川先生は職員室へと戻った。
担任ならばもう少し、心配してもいい気がする。
この学校は基本的に全寮制だが、自宅が近い生徒は寮からは外れることができる。
俺は後者で寮には入らなかったが、館林は一人暮らしと言っていた。
わざわざ寮に入らず、一人暮らしをするのだろうか。
本当に、一人暮らしなのだろうか。
メールも、電話も繋がらなかった。
おかしい、絶対。
心配で、たまらない。
……会いたい。
放課後、皆川先生に住所を聞き出して、館林の家に向かった。
普通の住宅街に、それはあった。
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