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気が付くと、如月に首を絞められていた。
息がひゅう、と漏れる。
苦しさから自然と涙がこぼれた。
「……き、……らぎ……」
「………」
如月は無表情なまま。
俺はほぼ無意識に、力が入らない腕をゆっくりと持ち上げて、如月の頬に触れた。
「……館林」
「ん、……っ!」
首を締める力が、強くなった。
「………好きだ」
如月の目から涙がこぼれて、俺の頬に落ちた。
途端、力が緩められて、俺は一気に流れ込んだ酸素に咳き込んだ。
しかしそれも間もなく、口を塞がれてしまった。
如月の、口によって。
「っん、……き、さ……っ」
「………」
圧倒的に、酸素が足りなかった。
舌を絡められ、それについていくのがいっぱいいっぱいで。
「……死なせない」
「っふ、……ん、」
意識が薄れる。
「………愛してる」
如月の声が、聞こえた。
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