3
ベッドに、組み敷かれた。
如月が眉間に皺を寄せて、俺を半眼で見下ろしている。
「関わるな、だと?」
「っい、た」
「同じ目にあう、だと?」
ベッドに縫い付けられた手首が痛かった。
何よりも、如月が怖くて。
「そんなこと、関係ない」
「……?」
「俺が、館林の……館林の傍に、いたいだけだ」
辛そうな、哀しそうな、切なそうな、そんな顔。
「だ、からさあ……それが、変なんだって」
「………」
「俺なんかの傍にいても、何にもなんないよ」
「………館林」
静かに制止されてもなお、俺は続けた。
「俺、どうでもいんだよ。生きてても死んでても」
「………」
「俺には守るべきものとか、大切なものとかないし」
如月の手の力が、強くなる。
「疲れる。生きるの」
「………」
「だからさあ、如月」
自然と、笑みがこぼれた。
「俺を、殺してよ」
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