1
 

あれから如月は、あんまり口を開かなかった。

いつものように飯を作ってくれて(スープだけは俺も食べられる)、風呂も借りた。
如月の大きすぎる服も借りて、髪が濡れたままリビングへ行く。

怒ってるのかなんなのか、無表情のまま俺を一瞥した如月は、ぽんと隣をたたいた。
……隣に座れってこと?



「何、如月」
「……」



隣に座ると、如月は乱暴に髪をタオルで拭きはじめた。



「わっ……ちょ、如月」
「………」
「何か喋れ!」



なおも如月は俺を無視し続けた。
段々むかついてきて、俺も何も話さなかった。

ようやく髪が乾いたのか、如月が手を止めた。
俺はその隙に離れようとしたけど、タオルで顔を隠されたまま、後ろに引き寄せられた。



「ちょ、え、」
「………」



真っ白な視界の中、身体がふわりと浮いた。
落ちるかもという恐怖もあって抵抗できず、気付いたら、ぽすんとベッドに寝かせられた。



前へ top 次へ

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -