3
 

羽鳥先輩に呼ばれたのは屋上だった。
大体落ち合って行為をしていたのはココだったから。



「羽鳥先輩?」



日が暮れはじめた中、俺の声は茜色の空に消えた。



(いないのかな)



ドアを閉めて一歩踏み出すと、建物の影から手が伸びた。



「せんぱ、っ……!」
「つーかまえた」



背後から口を塞がれ、右腕を取られた。
混乱しているままに、屋上のフェンスに身体を押さえ付けられた。



「何で最近会ってくれなかったの?」
「っ……!」



がしゃん、と音が響き、痛みに顔を歪ませていると、後ろで手を拘束された。



「もう俺から、逃げられないよ」
「!」



耳元で囁かれ、そのまま耳にキスをされた。



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