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前よりも如月は、俺に色んな表情を見せてくれるようになった。
頭脳明晰で文武両道、おまけに容姿端麗なくせに無愛想な如月は、一見するとロボットみたいに怖い。
だけど、最近は表情の小さな変化に気付くようになった。
意外と料理上手いとか。
字が右上がりになる癖とか。
実は照れ屋だったりとか。
色んな如月を見れることが、なんだか楽しくて―――嬉しかった。
「あ、ごめん。先に帰ってて」
「用事か?」
「んーちょっと」
放課後。
当然の如く一緒に帰ろうとした如月に一言。
今日は羽鳥先輩との約束がある。
「わかった。俺も丁度寄るとこあるから」
「そっか、ならよかった。じゃあ、また後で」
「ああ」
軽く手を振って、俺は教室を出た。
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