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朝、如月の家から一緒に学校に出た。

同じ学校、同じクラス、しかも席は隣同士。
周りが気付くのも、当たり前だった。



「おまえら、最近仲良いのな」
「……まあ」
「勉強教えてやってるんだ。担任から頼まれて。このままじゃ進級できないしな」



さらりと、如月は言う。
嘘じゃないけど、本当の理由は少し違う。



「遥、授業さぼるもんな」
「いいじゃん、眠いし」
「ま、如月が教えてやってんなら安心だな」



クラスメイトは如月、宜しく頼むとか言いながら、離れていった。



「……別に。勉強教えてくれなくてもいいし」
「誰のおかげで数学追試免れたと思ってるんだ」
「ごめんなさいもう言いません」



如月はくすり、と小さく笑った。



(……あ)



新しい、表情。



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