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side.樹



結局、3分の1くらい食べたところで、館林は戻してしまった。
何があったか知らないが、相当吐き癖が染みついて、胃が受け付けないのだろう。
無理して食べさせないが良かったかと思いつつ、くたりとした館林をベッドに運んでやった。



「……め、ん、」
「ん?」



館林がぽつりと呟いた。



「ごめん……折角、作ってくれたのに」
「……いい。気にすんな」
「如月は客なのに。俺、何もしてないね」
「……いいから。今は寝ろ」



頭を撫でてやると、しばらくして寝息が聞こえてきた。



「……客、か」



売りをしている館林にとって、俺は客でしかないのだろう。
だからと言って、俺は周りの客と、同じじゃない。



(そんなんじゃ、ない)



身体目的じゃ。
欲望をぶつけるだけじゃ。


本当は――――。



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