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黒い革張りのソファに座らされ、コーヒーを差し出される。
隣に、如月が座ってきた。

いつもとは違う流れに、俺は戸惑った。
大体は家に呼ばれたら、挨拶はそこそこにして、すぐ行為に及ぶ。
金を貰うわけだし、行為のために来てるのだから、もてなしなんて不要だ。

けど。



(ま、いっか…)



コーヒーを一口すする。
緩い雰囲気の中で、一言二言、如月と会話をした。



「お前、ちゃんと授業出たがいいと思うぞ?」
「出たってわかんねえもん」
「俺が教えてやろうか」



如月が、苦笑した。



(、笑った)
(こんな風に、笑うんだ)



新たに見えてくる、如月の色んな表情。
すごく、新鮮だった。



「館林?……眠い?」
「ん、……ちょっと」



そんな時間を過ごしているうち、だんだん眠くなってきた。
実はここに来る前にも1人相手をしていて、体力的に疲れていた。

言葉にすると眠気が強くなった気がする。



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