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「っ……ん、あぁ……っ!」
「なんで、俺を選んでくれたの?」



立ち入り禁止の屋上。
フェンスに指を引っ掛けて、崩れ落ちそうな身体を必死で支えた。

後ろでメールの送信者であり、本日の客が、欲望を俺の中に突っ込んでいた。



「なん……と、ンっ、なく……」
「何となく?つれないね」
「あっ……、いぁっ」



動きが激しくなって、さらにフェンスをぎゅっと握った。
しばらくしたら相手は俺から自身を抜き、アスファルトに白濁を出した。



「何となくでもいいや。また気が乗ったら相手してよ」
「……どうも」



3万円手渡され、ひらひらと手を振って去って行った。
名前も学年も知らない人。
適当に万札をポケットに突っ込んで、その場に座り込んだ。



何やってんだろうな、と自分に問い掛ける。

滅多に家に寄り付かない、浮気性の母親。
数年前に蒸発したっきりの、父親。
情けで高校には通わせてもらってはいるが、意味があるとは思えない。

自分の子どもが、授業さぼって体売ってるなんて。



(思っても、ないだろうな)



わかっても、止めたりはしないだろうけど。



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