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一度開けた目を、眩しくてまた閉じた。
恐る恐るあけると、朝特有の柔らかい光が差していた。
無機質なほど白い部屋。
均等な間隔で鳴る機械音。
つんとする清潔な匂い。
俺はただ、ぼんやりした頭で身体を起こして、
「っ……!」
横から、抱き締められた。
誰かいたことに驚いて、埋められた顔が見えなくて、
「いつ、き……?」
「………」
返事の代わりに、腕の力が強くなった。
樹の、匂いがした。
「……俺、」
「もういい」
「あの、ねっ」
「もういい、からっ……」
肩に、冷たさを感じた。
「泣い、てるの……?」
「っ……」
そっと、身体を離された。
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