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涙が、止まらない。
「っふ、……うっ」
「………」
「う、わっ……」
樹が黙ったまま、俺の体をぐるりと反転させた。
両手を1つに束ねられ、浴槽の縁に押さえ付けられた。
ぺたりとタイルに座ったままの俺は、動くことができず、
「いつ、き、っ」
「…………」
黙ったまま、腰を固定される。
背後で動く気配に、ぞっと冷えた。
後孔の違和感に、ひやりと汗が流れた。
後から起こることは、一瞬で想像できる。
「っうぁ、あぁっ……!」
「くっ……」
樹が唸ったのがわかった。
突然の痛みに俺は息さえ絶え絶えになる。
苦痛に唇を耐えながら、俺は、目を瞑る。
これは、痛みだ。
樹を苦しめた、痛み。
だから俺も、痛みを味わう。
「う、あっ、ぁ、っ……」
ぎゅう、と目を瞑る。
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