1
 

涙が、止まらない。



「っふ、……うっ」
「………」
「う、わっ……」



樹が黙ったまま、俺の体をぐるりと反転させた。
両手を1つに束ねられ、浴槽の縁に押さえ付けられた。
ぺたりとタイルに座ったままの俺は、動くことができず、



「いつ、き、っ」
「…………」



黙ったまま、腰を固定される。
背後で動く気配に、ぞっと冷えた。

後孔の違和感に、ひやりと汗が流れた。
後から起こることは、一瞬で想像できる。



「っうぁ、あぁっ……!」
「くっ……」



樹が唸ったのがわかった。
突然の痛みに俺は息さえ絶え絶えになる。
苦痛に唇を耐えながら、俺は、目を瞑る。

これは、痛みだ。

樹を苦しめた、痛み。
だから俺も、痛みを味わう。



「う、あっ、ぁ、っ……」



ぎゅう、と目を瞑る。



前へ top 次へ

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -