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くらりと視界が歪んで、樹の手に身体を委ねた。
ベッドまで運ばれて、額を撫でられる。
樹が心配そうな顔で、俺を見下ろしていた。



「ごめん……」
「気にするなって言っただろう」
「……ん」



樹はいつも優しい。
俺は甘えてしまう。



「汗、かいたな」
「……お風呂、入りたい……」



背中に張りついた冷や汗が気持ち悪かった。
力が抜けたままの俺の身体を起こして、樹が肩に寄せてくれる。



「たてるか?」
「ん、」



まだ足元がふらついたけれど、なんとか歩けた。
早くお風呂入って、眠ってしまいたかった。



「着替え、おいとくから」
「……ごめん、」
「……お前は毎回謝りすぎだ」



樹が頭を軽く寄せて、抱き締めてくれた。



「甘えろって言ってるだろ。我が儘言ってもいいって」
「ん、……ごめん、ね」
「だから、」
「ありがと、ね」
「……ん」



優しい声に、俺は甘える。



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