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side.樹



「……大丈夫か」
「っ……ごめ、」
「いい、気にするな」



口元を押さえながら、遥がぱたぱたと走っていった。
洗面所で水音が聞こえ、俺は遅れて向かう。

食事中。
最近は食欲も前より増して、少しずつ食べる量が増えてきた。
しかしやはり簡単には上手くいかないもので。

少しでも心の調子が悪くなると、ずるずると体調が悪くなる。
先日の雨宮との話が引き金になっていたとしたら、申し訳なくなる。



「うあ……っけほ、」




突っ伏す遥の背中を撫でる。
ちらりと見えた横顔が真っ青だった。

面倒くさいと思ったことはない。
精神的に不安定な遥が頼るのは、俺だけだと自負しているから。
だから俺が支えてやらないと、と強く思う。

遥を苦しみから救ってやることは出来ずとも、分かち合うくらいには。



「けほ、っ……はぁ、」
「落ち着いたか」
「ん……」



遥の身体を支えて、寝室へと連れ出す。



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