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side.樹



最後の遥の声が震えているのに気付いた。
仕事は終わっていなかったけれど、寝室へ向かった。



「俺っ……怖い、くて」
「何が」
「樹と……陸、がっ……一緒で、みんな、言って」
「……?」



遥がぎゅうっと身体を縮こませた。
支離滅裂だ。
俺と、雨宮のこと?



「わかってる……っ、仕方ない、しっ、仕事……でも、」
「………」
「俺がっ……邪魔で、でも、っ……居たくて」



委員のことか?



「言ったら、めんどくさい、嫌われるって……思っ…!」
「……」



(あぁ、)



おいてけぼりの、ねこだ。



「……お前は、我儘だなあ」
「っ……嫌、に……」
「我儘で、かわいい」



怯えて震える身体を、後ろから抱き締めた。



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