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放課後。
帰り支度をしている傍ら、樹は机に座ったまま書類に何かを書いていた。



「あれ、帰んないの?」
「生徒会に呼ばれてる。先に帰っとけ」
「えー……」
「遅くなるぞ」



なんかあったらメールしろ、と頭をぽんとたたかれて、樹は大量の書類を抱えて出ていこうとした。
……大変そうだなあ。
途中まで、荷物持って行ってやろう。
と、思ったのに。



「あ、如月。僕も行く」
「雨宮」
「半分持つよ」
「助かる」



陸だ。
ぱっ、と動いて二人並んで教室を出ていった。
樹と陸が何かを話して笑っているのが、廊下の窓から見えた。
周りの生徒が二人をじろじろ見ているのがわかった。

別に、仕方ない。
二人は委員なんだから。
樹も陸も生徒会に呼ばれてて、目的地が一緒だから、ただそれだけ。

お似合いなのも、否定しない。
あんな人たちが並んでたら、そりゃ騒ぐ。
……俺が並んでも、なんともないんだろうけど。
でも、



(なんだ、これ)



すごく、不安だ。
割り切るべきだけど、素直に頷けない自分がいて。

俺はぎゅっと拳を握り締めて、鞄をひったくって教室を出た。
早く、学校から離れたかった。



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