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side.樹



「俺、許さないからな!そんな、馬鹿にするんなら」
「えー……」
「えー、じゃない!」



遥がぷんぷんと聞こえそうなくらい、怒っている。
それでも俺は遥が可愛く見えるもので、からかってやりたくなるので。



「じゃ、出て行く?」
「え?」
「俺のこと、許してくんないんだろ。じゃあ、一緒いられないな」



ベッドから降りようと、上半身を起こした。
喉乾いたし、遥にも飲み物持ってきてやろうとか考えて、



「や、やだっ……」
「……え?」
「ごめん、許す、からっ……行かな、で……っ」



ぐい、と腕をひかれた。
次は俺が戸惑う番だった。
遥が大きな目にいっぱい涙を溜めて、こっちを見ていた。
……あぁ、もう。



「あー……ごめん、泣かすつもりなかった」
「っ、うー……」
「ごめんて」



またベッドに潜って、遥を抱き締めてやった。
想像以上に、負わせた傷は深かった。



「やだ、俺、嘘だよっ……一緒、いて……っ」
「ん、わかってる。いるから」
「う、っ……ふぇ、」



華奢な背中。
細い肩。
柔らかな髪。
全部、俺のもの。



「ごめんな。許してくれる?」
「ん、許す、っ」
「よかった」



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