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「かおる?」
突然電話がかかってきたかと思ったら、機械の向こうは無音だった。
名前を呼んでも返事はない。
ただ、静かな息使いだけが聞こえていた。
「かおる、どうしたの」
返事はないまま、ごと、と重い音がした。
もう薫の息使いすら聴こえなかった。
嫌な予感がした。
バイト上がり、バイクにまたがったまま。
すぐにスマホをポケットに突っ込んで、薫の家に走り出した。
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