3
 

「んっ、んぅ……ふ、ぁっ……」
「っ……は、」



ベッドのスプリングがぎしぎしと音を鳴らした。
細い背中を見つめながら、俺は智を突いていた。

正常位は嫌だと言われた。
俺の顔が見たくないからだろう。

虚しいことこの上ない。
智が俺を真の代わりにしているのは重々承知している。
わかっていて断れなかった、俺が悪い。

兄貴はどうやって智を抱いたんだろう。
何回、どういう風に抱いたんだろう。



「も、っと、奥っ……」
「……ここか?」
「あっ!ん、ぅ、あ、あっ……」



俺の動きに合わせて、智の腰が揺れる。
智の慣れた所作にもイラつく。
誰に仕込まれたかなんて、言わなくてもわかる。
死んだ兄貴は、どこまでもまとわりついてくる。



「あ、やっ……も、や、だめ、イっちゃ、」
「っ、うん」
「あぁっ、や、あっ……!」



涙をぼろぼろ流しながら、智は達した。
身体を労わるということもせず、俺は智の中に出した。
ひくひくと身体を震わせて、智はそれを受け入れた。

衰弱しきった身体をへたりとベッドに沈めて、智は目を閉じた。



「ま、こと」



忌わしいその名を呼ぶ。



「まこと……」



泣きながら、呼び続けた。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -