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これ以上の幸せは、絶対にないと思った。
「………」
「………」
「……なんだよ」
「ん?べっつにー?」
生徒会室でデスクに座って仕事をしていたら、裕二が黙ってにやにやしていた。
じっと見つめられたら、気にならないはずがない。
「何にやついてんだ」
「幸せそうだなーって」
「ぶっ……」
思わず吹き出して、離れのソファに寝ている日向を見た。
起きる様子はなく、ほっとした。
「……からかってんのか?」
「羨ましがってんの」
「………」
今日の生徒会の活動はとっくに終わっている。
けれど、会長の俺と副会長の裕二はまだ仕事があって。
日向はいつものごとく俺を待ち、気が付いたら寝てしまっていた。
「悠、目が優しくなった」
「……前は、切羽詰まってたからな」
「日向も明るくなったし。……大事にしなよ」
「……言われなくても」
裕二がぷっと笑った。
俺は少しむっときて、黙って書類をとんとんと揃えた。
「さっさと仕事終わらせろ。帰るぞ」
「はーいよ」
裕二も大体終わっていたのか、数分で席を立った。
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