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「んっ……あ、あっ……!」
「……っ」
真夜中に響く、嬌声。
果てた日向がくたりと身体の力を抜いた。
頭を撫でながら、俺は自分のモノを中から抜く。
「ひな、風呂……」
「……ねむい……」
「後から辛くなんのお前だろ」
「……誰のせい」
ちょっとご機嫌斜めになった日向の背中を、優しく擦ってやった。
指先に触れる、瘡蓋の跡。
首や鎖骨、胸の当たりにまでそれは広がる。
「……ゆ、う……?」
「………」
綺麗な肌に、俺がつけた傷痕。
引っ掻いた跡、噛んだ跡、抉った跡。
それはもう、消えることはなくて。
「ん、っ……なにっ……」
傷痕に、唇を寄せた。
日向がくすぐったそうに身を捩らせたが、気にせずに舌を這わせた。
「……ごめん、な……」
日向が記憶を無くして。
一生消えない傷をつけた。
もう二度と、忘れないように。
俺の独占欲と、所有欲の結果。
そして今は、後悔だけが残った。
「………いいよ」
日向が、優しい声で言った。
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