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side.日向
……浴衣って、羽織って結んで終わりかと思ってた。
「なに、これ……」
何をどうしていいかわからない。
わたわたしていると、こん、とドアをたたかれた。
「遅い」
「ちょ、待っ……」
「どうせ着れないんだろ」
「っ……う、」
「開けるぞ」
ドアが開いて、浴衣を着た悠が入ってきた。
見知らぬそれは、すごく、似合っている。
「ひどい格好」
「うー……」
「貸して」
肩に羽織っただけの浴衣を奪われて、てきぱきと着せられる。
「……ん、っ」
「なに」
「っ……触り、すぎ…っ」
腰や背中、胸まで。
多少は仕方ないけど、その手の動きは、明らかに着せるには余分なもの。
「ふ、ぁっ……」
首筋にキスされて、変な声が出た。
「浴衣ってえろいよな」
「っ……何、言って」
「顔赤くすんな、祭り行くしシねーよ」
はい、終わり、といつの間にか浴衣を着せられていた。
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