2
 

side.日向



……浴衣って、羽織って結んで終わりかと思ってた。



「なに、これ……」



何をどうしていいかわからない。
わたわたしていると、こん、とドアをたたかれた。



「遅い」
「ちょ、待っ……」
「どうせ着れないんだろ」
「っ……う、」
「開けるぞ」



ドアが開いて、浴衣を着た悠が入ってきた。
見知らぬそれは、すごく、似合っている。



「ひどい格好」
「うー……」
「貸して」



肩に羽織っただけの浴衣を奪われて、てきぱきと着せられる。



「……ん、っ」
「なに」
「っ……触り、すぎ…っ」



腰や背中、胸まで。
多少は仕方ないけど、その手の動きは、明らかに着せるには余分なもの。



「ふ、ぁっ……」



首筋にキスされて、変な声が出た。



「浴衣ってえろいよな」
「っ……何、言って」
「顔赤くすんな、祭り行くしシねーよ」



はい、終わり、といつの間にか浴衣を着せられていた。



前へ top 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -