5
 

side.日向



「う………」



浅い眠りから目が覚めた。
ぼんやりとした頭で、そこが悠の部屋だとわかる。
ベッドに寝ている僕の隣で、悠がノートパソコンを弄っている。
時々無意識だろうか、僕の頭を撫でて、



「……起きたか」
「うん……帰る……」
「泊まれよ」
「でも、」
「もう忙しくねぇから」



パタンとパソコンが閉じられて、額にキスされた。



「なんか、優しい……」
「お前が甘えたがるからだろ」
「だって……一緒いたいもん……」



頭上でふっと笑われて、優しく髪を梳かれた。



「悠は一緒いたいって、思わない……?」
「なるべくな」
「一緒帰るの駄目って」
「駄目だとは言ってねぇよ、ただ遅くなるし」



残しとくの心配だから、と続けられた。



「でも、僕はね、少しでも一緒いたい」
「ん」
「今まで、忘れちゃってた分も」
「わかったから」



言葉を遮るように、キスをされた。



「わかってると思うけど、俺はこんな性格だし」
「………ん」
「冷たいと思うかもしんねぇけど……その、ちゃんと、好きだから」



そう言った悠の顔は、しょうがないなって言うみたいに笑ってて。



「うん……」



ずっと傍にいたいって、思うんだ。



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