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一生届かないと思っていた。
もうお終いだと思っていた。
今も自分の腕の中に日向がいることが、夢のような気がして。
「ひな……」
「……ん、」
身動ぎした日向の身体を離した。
タオルを日向の腰の下に敷いて、ナカに指をいれた。
俺が出したものを掻き出してやる。
「ん、っ……」
眠っているはずの日向が甘い声をあげるから、思わず笑ってしまった。
処理を終えて、布団を被せてやる。
俺も手早くシャワーを浴びて、濡れタオルを用意した。
(……っ)
無防備な日向の身体は、ひどく煽情的で。
今しがたつけた赤い跡も、頬の涙の跡も、わずかに蒸気した肌も、全部。
けれど衝動をぐっと押さえて、身体を綺麗にしてやった。
俺もベッドに潜って、日向を腕に抱き込む。
髪を梳くように頭を撫でてやると、くすぐったそうに日向がうずく。
「……う、……」
「?」
「ゆ、う……」
擦り寄ってくる。
いとおしくて、いとおしくて。
日向のぬくもりを感じながら、俺は目を閉じた。
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