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side.日向
止みはじめた雨を避けるよう、会長は僕に自分の上着を頭からかけて、手をひいて走りだした。
足がもつれそうになりながら、僕はついていくのに必死になっていた。
「待っ……かいちょ、っ」
「………」
会長の部屋まで連れてこられて、ベッドに押し倒された。
ベッドの上で、身体がはねた。
「やだ、やだぁ……っ」
「……ごめん」
首元を指先で撫でられた。
そこは確か、赤い跡が残っているところで。
会長の顔が、歪んだ。
「……耐えられねぇんだ」
「っ……」
「ごめん」
「やっ……ち、ちが……」
伝えなければ、
「僕はっ……会長のものじゃ、ない……っ!」
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