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side.日向



気付いたら、机に組み敷かれていた。
まだ肩に引っ掛けていた会長の上着が、ぱさりと床に落ちた。



「え、ちょっ……や、っ」



首元に吸い付かれた。
ちゅう、と吸い上げられるそれはキスマークで。

あの時を、ふと、思い出した。



「やあっ、や……っ!」
「……ひな、」
「や、怖っ……やだ、っ」



思い出して、涙が出た。
何度も身体を重ねた会長が、違う人と重なった。
待ち望んだ、はずなのに。



「ふぇっ……う、」
「……ごめん」
「あっ……やぁっ……!」



でも会長は、やめてくれなかった。
涙で、視界がぼやけた。

怖い、
怖いよ、



「……耐えられねぇんだ。……お前が、違う奴に抱かれたままなの」
「っ……」
「……ごめん」



優しく、会長は僕を、抱き締めた。



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