2
 

side.日向



「ひな、」
「はぁっ……は、っ」



僕の名前を呼ぶ会長の声で目を覚ました。

息がうまくできなくて、貪るように空気を吸った。
記憶に残らぬ嫌な夢を見て、汗でシャツが張りついて気持ち悪かった。
頭が、割れるように痛い。



「はっ、……ふ、」
「大丈夫、か」
「っ……はぁっ、は」
「……大丈夫そーじゃねえな……」



ひどい頭痛と吐き気と不快感と、苦しい息に返事ができない。

腕が、震えた。
これは体調不良からか、それとも、



「っ……!」
「深呼吸しろ、な?」



包み込むように、抱き締められた。
大きな手で背中を撫でられて、一定のリズムのそれに僕の呼吸は落ち着いてくる。
けれど今も尚襲う頭痛に僕は精一杯で、無意識に会長にしがみついていた。



「ひな、苦しい、な……」
「ん、んっ……」



必死に頷くことしかできなかった。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -