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静かに眠る日向の頬を優しく撫でた。
手負いであることはわかっているけれど、思わず抱きたいと思ってしまう欲望を理性で抑えつけた。
混乱する頭の中を整理するように、俺は日向を撫で続けた。
日向を痛め付けたのは俺の親衛隊で、きっと理由は俺に関わることで、親衛隊の奴らなんぞ顔すら知らず、日向が傷付いた事実だけが残って、それは明らかに俺自身にも責任のあることで、
……何故、俺を求める?
嫌われても仕方のないことばかりをした。
今回の犯人のように、嫌がる日向を押さえ付けた。
何度も何度も、日向を痛め付けた。
(なん、なんだ……)
それでも日向は、「俺」がいいという。
何をもってそういうのか、俺にはわからない。
よっぽど怖い目にあわされたのか、それとも、
「……ん、」
「ひな?」
「っう……や、っ……」
よく見ると、額に冷や汗をかいていた。
眉間に皺を寄せて、シーツをぎゅっと握り締めて。
「ふ、ぅ……や、っ」
「っひな、」
「やっ……」
うなされる日向を、揺すり起こした。
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