6
 

「ふ、ぅ……ん、っ」



髪を撫でながら、日向に口付けた。
口の中は切れているだろうから舌はいれず、何度も角度を変えて唇を重ねた。



「っは……かい、ちょ……」
「………」



誘うような声音に、するりと日向のシャツの中に手を伸ばして、



「……シない」
「え……?」
「その願いは、受け入れられない」



理性をフル稼働させて、日向にぽふんと布団をかぶせた。
くしゃりと日向の顔が歪むのがわかった。



「なんっ……なん、で」
「今は休め」



うなされるかもしれないからと、満月先生から貰った睡眠薬を口に含んだ。
意図に気付いたのか嫌がる日向を押さえ付けて、無理矢理舌をねじ込んで、薬を飲ませた。



「もう、……飽きた、っ?」
「そんなんじゃねえよ、今は、」
「僕は、会長が、……っ」



会長がいい、
そう言いながら、日向は眠りに落ちた。

一粒頬に流れた涙を指でぬぐった。
どういう理由かわからないけれど、日向が俺を求めるのは初めてだった。

妙に速い心拍数に、気付かれてはないはず。



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