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「……まずは休め、な?」
混乱してるであろう日向の背中を撫で付け、身体を横にしようとするが、日向は負けじと俺にしがみつく腕を強くした。
「やっ……会長、」
「怪我してるんだ、休め」
「ちがう、いい、いいからっ……」
「よくないだろ、」
痛々しいそれを、早く治してほしくて。
肉体的にも精神的にもボロボロな日向を、早く休ませてあげたかった。
「今は休むことだけ考えて、」
「……いて、」
「え?」
「抱いて、ください……っ」
涙を浮かばせた大きな目で、日向はじっと俺を見上げた。
「ひ、な」
「お願い、します……っ」
「落ち着けって」
「やあっ、会長がいいっ……」
言葉が繋がった。
同時に混乱した。
何故俺を求める?
ボロボロな身体で?
「だめ、ですか……っ?」
俺は日向をゆっくりと、ベッドに押し倒した。
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