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「……細っせえ腰」
「っ……!?」
「……着替える。部屋でとけ」



自分の行動に驚いた。
はっとしたときには、日向の体温を腕の中に感じていた。
俺自身、寝呆けていたのだろう。

……まるで、甘えるような。
らしくない、と思いながら日向を突き放した。
驚いた顔をしたまま、日向は部屋を出ていった。



「何やってんだ……俺は」



くしゃりと頭をかいた。

日頃手酷く扱いながら、この想いは気付かれてはいけないと感じていた。
気付かれたところでそれまでの行為の折り合いがつかないし、どう顔をあわせていいのかわからない。
言っても、拒否されるのは明確だ。

好きだから、酷く抱いてしまう。
酷く抱いてしまうから、伝えられない。



「……くそ、」



苛立ちを感じながら、俺はシャツを脱いだ。
ふらついた足でクローゼットに行き、着替えを出した。
身体は汗でべたついていて、一度シャワーを浴びるべきかと考えて、



「会長、濡れタオル、……を、っ……」
「っ……出とけって言っただろ」



ドアが開いて、日向が入ってきた。
詰まった言葉と見開かれた目が証拠だ。

見られた。
背中の傷を。



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