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side.日向



やばい、と思ったらもう遅かった。
首元にキスされて、強く吸われた。
会長のシャツを掴んで、抵抗した。
隣に司がいるのに、こんなとこでするのは嫌だった。



「やっ……かいちょ、離してくださっ…」
「………」
「……か、いちょ……?」



しがみついた身体が熱いと気付いた。
背の低い俺に合わせる為にかがんだ体勢になっていた会長か、ぴたりと動かなくなった。
首元にかかる息が熱い。



「かいちょ……熱が……?」
「………」



最近は新歓期で、生徒会長の仕事も多い。
夜の行為もしなきゃいいのに、終わってから一人でパソコンに向かっているのを僕は知っていた。



「部屋、戻りましょう。ほら、」
「………」



引き剥がそうとしても、会長は僕を離さなかった。
むしろ強く抱き締めてきて、僕は壁に背中を預けたまま会長の体重を支えきれずに、ずるずるとその場に座り込んだ。

薄暗い部屋に、僕と会長だけ。
会長の息は、熱く荒い。



「か、会長……?」
「……ごめん、」
「え……?」



ぽつりと、言った。



「ごめん……あんなこと、言いたいんじゃない」
「……?」



珍しく弱々しい声で、僕の肩に頭をうずめて会長は言った。



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