4
 

授業が終わり、放課後。
俺は生徒会室に行った。
わいわいした声が廊下に漏れていて、騒がしいな、と俺はドアをあけた。



「あ、会長!」
「……何やってんだ」



五十嵐が日向をソファに押し倒して、脇をくすぐっていた。



「日向、めちゃくちゃ脇弱いんすよ!」
「っちょ、くすぐったいってば!」



五十嵐と日向は生徒会で2人きりの2年生で、仲がいい。
日向の無邪気な顔と、五十嵐の楽しそうな顔が、友達以上のそれではないと示していたけれど、



「騒ぎすぎ。外まで声聞こえてるぞ。さっさと仕事しろ」
「はーい、すみませーん」
「すみません、」



然程悪びれたようもなく、2人は謝った。
席に戻るまでにも、何やら耳打ちしてくすくすと笑っている。
不愉快だった。



「ひな、ちょっと」
「え?……はい」



日向を隣の部屋に呼び出した。
生徒会室に隣接したそこは資料室みたいなもので、書類やらがファイリングされて棚に並んでいた。



「何か、ッ……」



何もわかっていないような日向の腕を壁に押さえ付けた。



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