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side.日向



夢を見た。
事故に会った日のこと。
僕はまだ、中学生。

道路を渡ろうとして、誰かが僕を呼んだ。
キョロキョロしたら、後ろから肩をたたかれた。



「ひな」



優しい、声。
柔らかい、顔。

中学生くらいの子。
整った顔立ちと、泣きぼくろ。
僕より背の高い目の前彼が、僕の頭を撫でた。
この手を、僕は知ってる。



あなたは―――。



言い終わる前に、うるさいクラクションの音。
まばゆい光が現れて、僕は目を閉じた。



「っ………、」
「……ひな……?」



僕ははっとして、ベッドで上半身を起こした。

夢の中よりも、もっと低くて落ち着いた声がした。
鋭い目が、こちらを見ていた。
泣きぼくろが、重なった。


「……ゆう?」
「っ………」



着替えていた会長の顔が、強ばった。
何で僕、会長の名前なんて呼んだんだろう。
どんな夢、見てたんだっけ……?

ワイシャツのボタンを留めながら、会長が怖い顔をして僕に近づいてきた。
名前なんて呼んだから、きっと怒ってるんだ……!



「ごめっ……なさ、かいちょ、」
「………」
「っ!」



手を振り上げられた。



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