3
side.日向
「……あの」
「………」
悠の寮部屋に帰って、ベッドに座って、ぎゅうってされてる。
悠は何も言わず、動きもしない。
ただ、腕の力が強い。
「悠、どうしたの……?」
「……俺のだ」
「え?」
「お前は、俺のだ」
さっきの、羽鳥先輩のからかいを思い出した。
ヤキモチ、だった?
「んっ……」
抱き締めていた悠が、僕の首筋を噛んだ。
噛んで、ぺろ、と舐める。
「俺のだ……」
「……うん……」
大きいのに、消えてしまいそうなくらい不安に揺れる背中。
僕はぎゅうっ、とそれに手をまわして、悠の耳を甘噛みした。
「ん、ん……」
噛まれて、舐められて、跡をつけられて。
たべられてしまうかと、思うくらいに。
「大人気ない、よな……俺、いつもこんなだ」
僕をベッドに横にして上に覆い被さりながら、悠は苦笑するように顔を歪ませた。
「全部、全部、俺のだって……そんな考え、おかしいってのに、」
「違っ……おかしく、ない……っ」
咄嗟に腕を伸ばして悠を引き寄せた。
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