2
 

side.日向



「日向も大変だねぇ」
「うーん……」



注ぎに行く途中で司が耳打ちした。
悠、なんかおかしいんだ。



「あ、ポッキーあげる。はい、あーん」
「あー……」



司が食べていたポッキーを一本差し出してくれて、



「ん、うっ!?」



ぱっ、と口を塞がれて、目の前のポッキーが消えた。
……隣で悠が、口をもごもごさせている。



「ふぅぅー!うー!」
「なに道草食ってんだ」
「なにー、悠、ヤキモチ?」
「……飲み物はもういい。帰るぞ」
「えっ、やっ、わぁっ!」



なに、と思っている間にひょい、と肩に担がれた。
横暴だ!



「やーっ!おろして!」
「じゃ、お疲れさん。判押した書類は机にまとめてるから、後は裕二よろしく」
「はいよ」
「やー!」



ばたばたもがいたら、ぺちっとお尻を叩かれた。
痛くはないけど、なんだか恥ずかしい。
悠はなんの躊躇いもなく廊下に出た。



「や、おろしてぇっ」
「………」
「行かないから、ねっ……」
「………」



悠は黙って僕をおろして、代わりに手をひいて、部屋まで戻った。
……まだ目立つけど、マシかな。



前へ top 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -