5
side.日向
「……な、……ろ」
……誰?
「起きろ、ひな」
「……っえ」
「寝すぎ」
会長に肩を揺り起こされた。
デスクに寝ていたからか、身体の節々が痛い。
「会長っ……僕、いつの間に……あれ?」
「……ああ、生徒会室のやつ」
ぱさりとブランケットが肩から落ちた。
言い方からすると、会長がかけてくれたんだろう。
「そろそろ出ないと、締め出されるぞ」
「え、もうそんな」
「とっくに夜だ」
生徒会室はしんとしていた。
会長は早く帰れと言うように、デスクに腰掛けて腕を組んでいる。
なんか、怖い。
「すみません、今出ます」
荷物をまとめていると、デスクにことん、とプリンが置かれた。
「やる」
「わ……ありがとうございます」
僕はプリンが大好物だ。
昨晩のせいで体調がすぐれないのは、会長のせいでもあるわけで。
生徒会長から奢ってもらうのは普段は憚られるけれど、これでチャラだと言い聞かせた。
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