3
 

「悠、ちょっと」
「……ん」



昼休み、裕二に呼ばれて屋上へ行った。
フェンスに寄りかかって、気まずそうな裕二の言葉を待つ。



「……日向のことだけど」
「………」



そんな気はしていた。



「最近、痩せた?顔色も悪いし」
「………」
「司に聞いたらさ……授業中もよく寝てるし、保健室にも行ってるって」



目に見えて日向の様子がおかしいのは、俺にもわかっていた。
けれど部屋では気丈な振りして、何も言わない。



「お前も気になってるだろうけどさ」
「……あぁ」
「……どうする気、日向のこと」
「………」



答えを聞きたいのは、俺の方だった。
このままズルズルと、狂った関係が続くのか。
いつか終わりが来るのか。



「……悪い、お前だって大変なのに」
「いや……俺だって、けじめつけなきゃな、」
「……あんま、追い詰めんなよ」



ぽん、と肩を叩かれて、裕二は屋上から出て行った。
俺はそのまま、その場に座り込んだ。
背中を預けたフェンスがぎしりと軋んだ。



「………」



どうにかしなくちゃいけない。
それはわかっているのに。

どうしていいのか、わからない。



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