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side.日向



なんだろう、あの人。

司が抱きついてきて。
生徒会の人がいて。
あれ、なんで僕こんなとこにって思って。

目が合って、誰だろう?と思った。
その瞬間、その人の顔がすごく怖くなった。
一歩近付いてきて、僕は殴られるのかなと思った。

今は、羽鳥先輩と外だ。



「なに、あの人……こわい顔、してた」
「……日向、覚えて、ないの……?」
「え……?」



司が泣きそうな顔してる。
なんで、そんな顔するの……?



「生徒会長の瀬川悠、で、日向と―――」



―――え?



僕が呆然としていると、がちゃりとドアが開いた。



「……悪い。みんな席外してもらえるか」



瀬川、先輩。
怖くて咄嗟に司の手を掴んだけれど、困ったように笑いかけられて、その手を離された。
みんな気まずそうな顔をしながら、廊下に出ていった。




「………」
「………」



怖い、目が。



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