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ベッドに横たわる日向を見て、心臓が止まるかと思った。
けれどそこにあったのは、いつも隣で寝ていたときと同じ表情。
「日向……」
生徒会の中でも一際背の低い五十嵐が駆け寄って、それに周りが次いだ。
「……ん……」
「ひ、日向っ」
「……つ、かさ……?」
ゆっくりと目を覚ました日向は、身体を起こして首を傾げた。
わあっ、と泣いて五十嵐が日向に抱き付いた。
よくわからない様子の日向はおろおろして、生徒会メンバーを見渡した。
「羽鳥、先輩……?」
「心配したよ」
「皆さん、も……」
普通な様子の日向に、一同が安堵した。
日向は一人ずつ顔を見渡して、俺と、目が合って、
「……?」
日向が小さく、首を傾げた。
「日向?」
五十嵐が異変に気付いた。
日向が五十嵐に耳を寄せた。
「……だぁれ?」
―――頭の中が真っ暗になった。
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