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目の前のパソコンに、メールが届いた。
日向からのそれには、本文無しでデータだけが添付されていた。
俺は顔を上げないようにして、キーボードを打った。
『体調、大丈夫か』
昨日の夜、手酷く日向を抱いた。
けれど健気にも、土曜の今日に日向は登校して(泊まった俺の寮部屋からだが)、書記の業務をこなしていた。
メールを打って再び書類を作っていると、メールを受信した。
『平気です』
ちらりと顔をあげて日向を見ると、目があって、即座にそらされてしまった。
俯いた耳が赤いのは、気のせいだろうか。
俺はまた、作業の続きを始めた。
この書類は今日中に………
「……?」
メール受信。
『少し怠いので、後で何か奢って下さい』
再び目があって、困ったように笑いかけられた。
俺はメールを返す。
『プリン買ってやる』
『本当ですか?』
『2こまで』
『ケチ』
『じゃあ、買わない』
『嘘つき』
無言の中。
俺たちは会話する。
俺のことが憎いだろう。
少なくとも好ましい感情はないだろうに、日向はこうやって他人を思いやれる。
それに甘えてしまっていることは、自分でもわかっていた。
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