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ほわ、と千夏の表情が和らぐのがわかった。



「かわい、」



千夏がソファに座る俺の脚の間に座り、観ているのはテレビ。
動物番組に出ている子犬に、小さな声が上がった。



「いぬ?」
「ん、それは犬」
「ちいさい」
「まだ子どもだから」



そういえば千夏は、あまり動物と触れ合ったことがない。
テレビで観ることも少なかったんじゃないだろうか。



「うさぎ!」
「ん、うさぎな」
「耳が、ぴょんぴょんって」



声こそは大きくないものの、テンションが上がっているのがわかる。
きらきらとしている目で、テレビをじっと見ているものだから。
その姿は、微笑ましくて、可愛くて。

こんなに密着しているのに。
こんなに近くにいるのに。

まるで、俺は置いてけぼり。

いつか動物飼いたいとか言いだすんじゃないだろうか。
そしたらきっと、千夏はそっちにお熱だ。



(いや、テレビに嫉妬とか、ねーだろ……)



けれど、千夏は全くこちらを見てくれないから。

する、と千夏の服の中に手を差し込んだ。



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