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「っ、ん……、ッ」
怒りにまかせて満月を押し倒した。
許せなかった。
誰にも渡したくなかった。
一生ここに繋いでおこうと思った。
(……許さない)
いくら抱いたって、満月は声をあげなかった。
わかってはいたけれど、それがまた苛つかせた。
何度も何度も抱いた。
最初は嫌がって暴れていた満月も、次第に体力を失っていった。
俺のことを嫌いになるかもしれないなと思った。
けれど、俺の手が届かないところに行ってしまうよりはマシだった。
「けほっ、けほけほっ……」
満月の咳き込む姿に、はっとした。
何度か精を吐きだして、頭が冷えてきた。
俺の腕の下にいるのは、気を失ってくたりとしている満月だった。
身体中に残る情事の跡は、痛々しいくらいだった。
満月の顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。
このまま俺がいなければ生きていけない身体にすれば。
そんなことしか、考えられなかった。
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