6
side.裕二
「ゆ、じ……?」
千夏の戸惑ったような声に、ふふ、と笑ってしまう。
構わず抱き締めて、首筋にキスをした。
「俺は、ちなをいらないなんて、思ったことはないよ」
「っ……」
「寂しかった?」
返事の代わりに、背中に手が回った。
「ん、俺も寂しかったよ。寂しくて仕方なくて、千夏に触りたくて、我慢できなかった」
「……!」
「だから今ももう、結構やばいんだけど……」
太ももに当たった俺の熱に気付いたのだろう、千夏はかぁっと赤くなって、顔を隠すように肩に顔を埋めてしまった。
「ね、俺かっこわるいでしょ」
「………わる、くない」
「ふふ、ありがと」
千夏の体調を考えれば、出来るはずはないんだけど。
代わりに鎖骨や首にキスを落とした。
「ん、っん、」
「ちな、大好きだよ、ずっと」
千夏はやっと、ふわりと笑った。
この笑顔を絶やさないように、と、心の中で誓った。
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