4
 

side.裕二



そのまま気を失った千夏をベッドに運んだ。
改めて見た千夏は、随分と痩せてしまっていた。

何で気付いてやれなかったんだろう。
そう思うと、自分に腹が立った。



「……ぅ、」
「ちな?」



眠っていたはずの千夏は、唸って身体を小さく丸めた。
お腹を守るようなそれは、まるで。



「は、っ……ゆ、じ……?」



目を覚ました千夏は、冷や汗をかきながら俺の名前を呼んだ。
けれどすぐに顔を歪めてしまう。



「ちな、お腹痛いの?」
「っ………」



千夏は浅く息をしながら、小さくこくりと頷いた。
声をかけてその場を離れ、湯たんぽを準備した。



「ちな、これ、お腹にあててみて。少し楽になるよ」
「あ……」



生理的な涙を流しながら、千夏は震える手でそれを受取ろうとするけれど、手に力が入っていないようだった。
布団の中に入れて、少しでも痛みが和らげば良いと思いながら、頭を撫でた。



「ゆっくりしてていいからね。ご飯作ろうと思うけど、何か食べれそう?」



こんな状態で家事が出来るわけがない、気をきかせて言うと、



「っ……ごめ、なさ、ごめんなさい、ごめんなさいっ……」



千夏は泣きじゃくってしまった。



前へ top 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -