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「………」



しばらくして寝室を覗くと、綾は小さな物音にでも気付いて、こちらを睨みつけてきた。

置かれたタオルケットと、晩ご飯は、相変わらずそのまま。
そっと近付いて、飲み物だけを置いて飯は引いた。



「………」



綾は、何も答えない。

うそつきうそつきうそつき。
そう聞こえてくるようだった。



深夜になって、ようやく寝たかと様子を見ても、綾は相変わらず目を覚ましていた。
眠そうに目を少し赤くして、それでも意思の強さは変わらなかった。

一時でも隙を見せない様子に、胸が痛くなる。
それほどに俺への信頼は失われたのだろう。

―――これじゃ、岡崎と一緒だ。



真夜中に何度も寝室を覗いても、綾は目を覚ましていた。
これじゃ気が休まらないかもしれないと、俺はリビングのソファに寝転んだ。

それでもきっと、綾は眠りにつかないんだろうと、思った。



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