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side.綾



好きなひとには、自分のきれいな姿を、見てもらいたいのに。
俺の身体は、汚い。



「ごめん、っ痛!」
「………」
「ちょっ、いたい、なにっ……!」



ぺしぺし、と額を叩かれ、ぎゅっと温もりに包まれた。



「りょ、お……?」
「……俺は、嬉しかった、」
「……?」



ぽつ、と涼が話しだした。
抱き締める力は強いのに、温もりは、優しい。



「最初、覚えてるか、あそこでお前倒れてて……」
「あ………」
「警戒心むき出しで、周りみんな敵、みたいな顔してた」



人慣れしてないねこみたいだった、と涼は少しだけ笑った。



「段々、俺には警戒しなくなって、必要としてくれたみたいで、嬉しかった」
「……め、わく……じゃ」
「だったらとっくの昔に追い出してる」



こつ、と額を合わせて、そのままの距離。



「俺は、綾で良かったって、思ってるから」
「っ………」
「だから、そんままでいいから」



泣きじゃくる俺に、涼はちゅ、と軽いキスを落とした。



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